マルーンに乗って

お膝元で暮らす日常の思いつき

私の頭の中の松岡修造

いつの頃からか謎なんですが、舞台の紅さんを見ていると「いや、本当のさゆみちゃんはこんなもんじゃない!」「あなたならもっと出来る!」など暑苦しい応援をする松岡修造(のようなもの)が脳内に溢れ出ました。
期待感とかそういうのが大きいんでしょうかね?不思議です。
大体わたしが紅さんの何を知っているというんでしょう、だのに脳内では「こんなもんか?お前の実力は!」なんてうるさいったらありゃしない。

こう言ってはなんですが特に紅さんのファンって訳ではないんです。(わたしは真風さんファン)
そりゃ好きか嫌いかと言われれば好きですよ。
むしろ大好きですよ。
大好物です。←?

だからってわたしの紅さんに対するドリームが爆発でもしているのか、ちょっとやそっとじゃ「素敵!」にはならない。
むしろ松岡修造絶好調!
でも何を根拠にそんなことになるのか本当に謎だったわけです。


昨年『眠らない男・ナポレオン』の時は松岡修造も大人しく、確かにわたし自身も大満足の舞台でした。
やれやれ、これであいつとはお別れか…と思いきや『ロストグローリー』で復活。
まあ確かにねぇ…キレて人殺しちゃうっ役て何度目ですよ、劇団さん!でしたものね。
きっと、わたしの見たい紅ゆずると舞台の姿が遠いと松岡修造登場!なんではないかと思われるのです。


そして今回の『黒豹の如く』と『Dear DIAMOND !!』ではどうだったかといいますとですね。
…今の今まで忘れてましたよ、私の頭の中の松岡修造を!
本っ当ーに素晴らしかったです、紅さん!!

まず見た目が美しい!

…長い間メイクの迷路を迷い道くねくねしてたように思うんですよ。
(あくまでもわたしの見た限りの個人的な感想です)
まぁ男役は研8になると皆その迷路に入っちゃうものですが、一体いつ出てくるのか心配でしたもの。
特に紅さんの場合、どうしてオフの美しさが舞台じゃ出ないんだよ~!と歯がゆく思ってました。
それがもう美しさ倍増なんです!
舞台メイクってそうあるべきですよね、元の美しさプラス役者として顔を作ること。
髪のスタイリングも含めて、これか!とこれが見たかったのか!!と震えました。

見た目から溢れる自信。
それは美しさだけでなく演技や歌唱も素晴らしいから。
中身も大切ですもの、実力から裏打ちされたものなんだと納得させられるんです。

アラルコンが♪もっと、もっと~と歌う時、紅さんももっと、もっと高みに行けるのでは?と思ってダブルで感動します。


そして何よりショーの中詰め。

もうネタバレではないでしょう、この場面で柚希さんは二階で客席降りをします。

客席降りという演出は難しいと思います。
チケット代を控えたいわたしはほとんどB席の住人と言っていい観劇スタイルです。
当たり前だけど客席降りと言えば一階席。
そうなると二階席はどうなるかと言うと、見るものがなくなります。
何故なら、まずスターが率先して舞台から降りてしまうから。

確かその昔梅田芸術劇場であったタカラヅカスペシャルで『ミー&マイガール』の♪ランベスウォークで客席降りがありました。
まさか全員降りるとは思いませんでしたよね。
なんと二、三階席はステージを照らす照明しか見るものがなかったという…。
賢い演出家なら銀橋にスターを1人残したり、本舞台で下級生を踊らせたりするものです。
それでも二階じゃスターを見たいから「背もたれに背中をつけ観劇を」なんてアナウンスも何のその!ざわつきが半端なくなります。
…正直、透視能力でもないと見えないと思うんですが。

だからわたしはそういう時二階からしか見えない景色を見ようとします。
銀橋と舞台。
ここで二階を意識してくれるジェンヌは株が上がります。
そうだよ、わたし達はそこしか見えないの!って叫びたくなることもあります。
特に下級生は二階見る意識がまだ低いので、成長を感じるポイントにもなりますよね。

とにかくそんな感じで客席降りには悲喜こもごもがあります。
ところが『D D』じゃ、二階にトップスターさまが来ちゃうんですよ。

わたしが初めて観たのは初日の次の日で、ネタバレに気をつけていたこともあって不意討ちでの登場!
だからか自然とウルウルしてしまいました。
まさかそんな至近距離でトップスターを見られるなんて思わないじゃないですか!二階なんですもの。
たまたま通路に近い席だったこともあって、こんな近くで柚希さんを見るのは最後かも!と思うと涙も滲みますよ。
でも下手端の席だったので、柚希さんが上手へ行ってしまうと遠くて見えにくくなってしまう。
…まぁそれでも舞台よりは近いんですが、その時ふとB席の住人としては銀橋と本舞台をチェックしないと!という妙な使命感から視線を一階席へ動かしたんです。

まず見えたのはダルマの下級生達。
スターさんは皆客席に移動していないのかなぁ?と目線をさらに動かすと、銀橋と一列目の座席の間に紅さんがいました。
凄くどっしりした風格とオーラを纏った姿で、顔はキラキラした笑顔で二階を向いている!
それを確認した時、わたしのこらえていた涙腺が決壊しました。
あぁこの瞬間紅さんが星組を背負って立ってる!!

この中詰め、一階席からは柚希さんは見えない。
さらに言えば客席降りなんて一階でも通路側じゃないから楽しめない、なんて言う人もいます。
初めて観劇する人の中にはどこを見たらいいか分からないという人もいるでしょう。
そんな人達がどこを見ると言えば絶対センターじゃありませんか!
そのセンターで堂々とした姿で立ってる紅さん。
もうこれは、この瞬間宝塚背負ってるって言っていいんじゃない?ってくらい感動したんです。

この先の星組も安泰だなぁとか、あの場面には嬉しさしかありませんでした。
紅さんがいれば大丈夫感が本当に凄い。

しかも紅さんはまだトップにならない!
こんなラッキーがありますか?!ってなもんですよ。
(すいません。こんなことで喜ぶのはわたしだけですね)
まだまだあの姿を堪能出来ますもの!
こんな喜びありますか?!なんて思ってしまいました。

だってトップスター=サヨナラですもの。
北翔さんファンの友人は専科ですっかり安心してたーっ!とトップ就任を聞いてまず卒業してしまうと泣いていました。

本当に『黒豹/D D』の紅さんにはやられっぱなしなのです。
そして私の頭の中の松岡修造はどうやら役目を果たしたのか現れなくなりました。
これからの紅さんには純粋に楽しみしかない、その先の高みだってもうすぐだって信じられるもの。
心からわたしはそう思っています。