マルーンに乗って

お膝元で暮らす日常の思いつき

ウバルドが王子さまだとは知りませんでした。

ラッキーなことにわたしは前夜祭を拝見することができました。

始まる前は久々に真風さんに会える喜びより、安蘭さんが大劇場に立つ!の方に心は奪われていたんですけどね。
何しろ初恋の君なもんで…。
まぁ、『マイ・ディア・ニューオリンズ』よろしくジョイ・ビーとの再会みたい?!なんて勝手なときめきもありましたけど。
そりゃもう、立派に大きくなったでしょ!ってなもんです。
この日ほど楽屋で何話したんだろう?という、知りようもないことにときめいたことはありませんでした。

その昔安蘭さんのファンだったと言うことで『王家に捧ぐ歌』は思い出深い作品です。
正直何回観たか分からないレベルでして…。(中日劇場公演もありましたもんねぇ)
その思い出の作品が真風さんのいる宙組で再演されるというのは、本当に運命的な巡り合わせってあるんだなぁと開幕前から胸いっぱい。

そして暗転。
前夜祭にも開幕のアナウンスがあること、そしてそれが朝夏さんであることに驚き。(組長の可能性もあったよね)
だのに客席は空気を読み、それに対して拍手をしないことに感動し。(今日は本当の初日じゃないですよね!ってな一瞬の配慮!!)
薄暗い中緞帳が開いたとき12年前と同じ大道具が両脇に置いてあることに震えました。(だってその時月組公演中)
初演と同じ佐々田愛一郎指揮!そして変わらないメロディー。

あぁ、始まる!
冷静でいられたのはそこまででしたね。(早いよ)

あら?セリが下りてる、と言うことは誰かが上がってくるということ??
このタイミングでセリ上がりって誰が?
やっぱり朝夏さんかなぁ。
でも幕開けってウバルドが台詞言ってた気がするんだけど…。

モクモクとスモークが焚かれ、照明の都合でシルエットしか分からない。
その瞬間、わたしの脳裏には「あのイケメン誰?」とだけしか浮かばなかった。
「誰だよ、あのイケメン」
「あのイケメンは誰?…ってか、真風さん?!」
「!!!(言葉にならない)」

数秒前に幕開けはウバルドって思った時点で気づけよーっ!
もうね、何か作品への思い入れとかそんなの全部吹き飛んだよね。
後はただただそのイケメンをガン見し続けました。
男役に対してイケメンって評価が正しいかは謎だけど、何かもうめちゃくちゃ格好良かった!

どれくらいガン見していたかというと、横にキンキラキンのエジプト兵がいることに気づかないくらいのロックオン!
トークコーナーで愛月さんが衣装のこと言ってくれなきゃ見てなかったかも。(すみません)

そういえば配役が発表になった時、一つだけ不安がありました。
何だアムネリスじゃないのか、ではなく。(メール夫人が超可愛かったからイケると信じて疑ってなかったのだ)
ウバルドってことは、あの衣装なの?!ってこと。

正直に申し上げると初演のウバルドの印象の大半は衣装がなぁ…でした。
カマンテとサウフェが着ている同系列のずるずるっとした謎の民族風衣装。
あの衣装の何が苦手って、男役としてのスラッとしたスタイルがまったく活きない!
サウフェは衣装によって幼く見えるからいいんだけど、ウバルドってもうちょっと大人だしどうにかならない?ってずっと思ってたのだ。

先行画像や記者発表を見る限りラダメスとアイーダの衣装は、やはり新調ではあるけど初演を踏まえている。
となるとウバルドもあのずるずるを着ている可能性は高い。
それに私は耐えられるだろうか?とすら思っていた。

が、目の前のウバルドの衣装ったら素敵じゃないですか!
ジャケットとパンツって感じでずるずるじゃないし、しかも薄手の生地で作られたドレープがまた素敵。
それによってカマンテ&サウフェとお揃い感もあるし。
しかも膝丈ブーツだから足元スッキリだし。
良かった!これなら通える!!
そこまで思いましたから。
(ジャケットにキラキラが付いてるのも嬉しい)

当然真風さんの着こなしも素敵なわけで。
真風さんの好きなポイントに「裾さばき」があるんですけど、ドレープさばきも素敵!
良かった、個性に合わせて作ってくれたかのようだもの。
本当に良かった!

何かもうここで前夜祭終わってもいいわ~って気分でしたね。(ダメだし)

12年前は余りにもアイーダばかり見ていたので(好きな人はガン見するクセは昔から変わらなかったり)、実のところウバルドの印象は薄い。
それどころか梅芸版『AIDA』にも通ったけど、ウバルド=お兄ちゃんってくらいしか思ってなかったんだよね。
(余談ですが宮川ウバルドの格好良さはまた格別なので機会があればDVD視聴をオススメします)

しかし目の前の真風ウバルドったら何だか風格がある。
…どうも今までと違う。
で、気づいたんですね。
そうか!王子さまだったのか!!と。
信じられないことに、そんなこと今まで思ったことなかったんですよね。
そうだよね、妹が王女なら兄は王子だわ。
もちろん気づいてなかった私も問題あるけれど、なんでしょうあの真風さんの溢れる王子感。

ああ、それなのに♪月満では上手袖に向かって顔くいで仲間を呼ぶ!
どこでそのワイルドさ学んだーっ!!
驚きです。
褐色の肌に黒髪で長髪、そしてワイルド。
なのに王子。
うん、手に余る。
もう脳の許容量いっぱいだわ。
真風さんってこんな方でしたか?

私の中で新しい『王家に捧ぐ歌』、そして新しい真風涼帆が始まった瞬間でした。

カマンテとサウフェは元家臣ってことだけど、ウバルド王子との関係は?
大体王子の命奪う作戦ってどうよ?
で、王女の方を連れて帰るのは何でやねん。
えぇ、ただお兄ちゃんだと思ってた頃には思いもしなかったことが溢れてきちゃうのです。

そんなわけでウバルド王子という新しい目線を手に入れ、こりゃ通っちゃうぞ!と震えましたよ。
で、案の定通いまくってるってお話でした。